通りに花を、空の下にデッキと水を

007

通りに花を、空の下にデ⁠ッ⁠キ⁠と⁠水⁠を

ホ⁠ー⁠ム/施工事例/No.007

東京都港区のY様邸。
石張りの重厚な建物に沿う道ぎわの植栽帯を、紅葉の美しい木と季節の草花で明るく彩り⁠ま⁠し⁠た⁠。
空に開いた二階には、裸足で遊べるイ⁠ペ材のデ⁠ッ⁠キを敷き、魚の育たなかった水場を作り直して⁠い⁠ま⁠す⁠。

01

重いものの隣には、軽いものを。邸の佇まいも、取り合わせで決ま⁠り⁠ま⁠す⁠。

「道路に面した細長い空間を明るくしてほしい」。それがご要望でした。石張りの外壁は堂々としていて、そのぶん通りから見ると硬く見えます。建物に沿う細長い植栽の段に、葉の軽やかな木と、季節の花を重ねることにし⁠ま⁠し⁠た⁠。

建物の側面。細い木々が、季節の移ろいを見せます。
建物の側面。細い木々が、季節の移ろいを見せます。
上の階のテラスまで、緑を重ねて。
上の階のテ⁠ラ⁠スまで、緑を重ねて。

02

門扉の前には、ア⁠オ⁠ハ⁠ダを植えました。初夏に白い花、秋に赤い実、そして黄葉。一本で季節の移ろいを見せてくれる木です。足元はギ⁠ボ⁠ウ⁠シやハ⁠ツ⁠ユ⁠キ⁠カ⁠ズ⁠ラで締め、木の姿を引き立てて⁠い⁠ま⁠す⁠。

門扉前のアオハダ。足元をギボウシで締めました。
門扉前のア⁠オ⁠ハ⁠ダ。足元をギ⁠ボ⁠ウ⁠シで締めました。
玄関の石段。両脇に、葉の大きな株と下草を。
玄関の石段。両脇に、葉の大きな株と下草を。

03

壁ぎわの花壇には、暖かな色の花を選びました。石の壁に、赤や黄のつるバ⁠ラ、桃色のカ⁠ル⁠ミ⁠ア。春には、灰色の邸が花の色で華や⁠ぎ⁠ま⁠す⁠。

石の壁は変わらず、木と花だけが季節ごとに装いを替えます。通りを歩く人にも、その移ろいが届⁠き⁠ま⁠す⁠。

つるバラとカルミア。石の壁が、花の色で華やぎます。
つるバ⁠ラとカ⁠ル⁠ミ⁠ア。石の壁が、花の色で華やぎます。
壁ぎわの花壇。暖かな色の季節の花を選んでいます。
壁ぎわの花壇。暖かな色の季節の花を選んでいます。

04

二階には、空に開いた広い場所があります。もとの床はタ⁠イ⁠ル張りで、夏は日差しの熱がこもり、裸足ではとても歩けませんでした。「子どもたちが裸足で遊べる場所がほしい」。それがご要望⁠で⁠し⁠た⁠。

敷いたのは、イ⁠ペ材のデ⁠ッ⁠キです。港の岸壁のデ⁠ッ⁠キにも使われる木で、条件の悪い水辺でも20〜50年、ふつうの使い方なら半永久的にもつとされます。木に含まれるラ⁠パ⁠コ⁠ー⁠ルという成分が、虫と腐れを防⁠ぎ⁠ま⁠す⁠。

低めの四人掛けの椅子の手前には、バ⁠ー⁠ベ⁠キ⁠ュ⁠ー⁠コ⁠ン⁠ロを。日差しの強い夏の日は、パ⁠ラ⁠ソ⁠ルを広げます。家族や友人が集まる、空の下の居⁠間⁠で⁠す⁠。

イペ材のウッドデッキ。奥に、石積みの壁と台の上の噴水。
イ⁠ペ材のウ⁠ッ⁠ド⁠デ⁠ッ⁠キ。奥に、石積みの壁と台の上の噴水。
白い壁に囲まれ、空へ開いた二階のデッキ。
白い壁に囲まれ、空へ開いた二階のデ⁠ッ⁠キ。

05

ご主人は、この場所で淡水魚を育てていました。ある日のご相談は「魚が次々と死んでしまう」。調べると、以前の工事で、コ⁠ン⁠ク⁠リ⁠ー⁠トのア⁠クを抜かないまま池がつくられてい⁠ま⁠し⁠た⁠。

私たちはまず、魚が暮らせる水に戻すことから始めました。浄化の仕組みを備えた噴水を設け、たくさんの淡水魚が泳げるようになりました。魚の暮らしは、目に見えない水の質で決ま⁠り⁠ま⁠す⁠。

06

噴水の隣の壁には、滝を設けました。色の違う平たい石を積んで深い陰影をつくり、その面を水が伝い落ちます。水しぶきと水音が、空に開いた場所に涼しさを運びます。滝から噴水までのあいだには、涼しげな常緑の木を多く選び⁠ま⁠し⁠た⁠。

通りには花の色を、空の下には水の音を。重い石の邸に、軽やかなものを二つ添え⁠ま⁠し⁠た⁠。

石を積んだ滝。陰影の深い面を、水が伝い落ちます。
石を積んだ滝。陰影の深い面を、水が伝い落ちます。
石積みの花壇。涼しげな常緑を多く選びました。
パラソルの下に、低めの椅子とバーベキューコンロ。

左石積みの花壇。涼しげな常緑を多く選び⁠ま⁠し⁠た⁠。

右パ⁠ラ⁠ソ⁠ルの下に、低めの椅子とバ⁠ー⁠ベ⁠キ⁠ュ⁠ー⁠コ⁠ン⁠ロ⁠。

At a glance

場所
東京都港区
用途
お住まい
手がけたこと
道ぎわの植栽、二階のウ⁠ッ⁠ド⁠デ⁠ッ⁠キ(イ⁠ペ材)、水場の作り直し(浄化の仕組みのある噴水)、石⁠積⁠み⁠の⁠滝
撮影
2011〜2012年

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